NHK Eテレの人気番組『デザインあneo』の世界を“からだ全体で体感できる”展覧会「デザインあ展neo」に行ってきました。今回のテーマは「動詞」。
「あるく」「たべる」「すわる」など、わたしたちが日常で当たり前に行っている“行為”をデザインの視点から見つめ直す展示です。
会場情報とアクセス

会場:虎ノ門ヒルズ ステーションタワー45階(東京都港区虎ノ門2-6-2)
開催期間:2025年4月18日(金)~10月13日(月・祝)
好評につき、当初の期間が延長されるほどの人気ぶり。チケットも取り難かったです。
私が訪れたのは10月11日(土)の3連休初日、あいにくの曇り空でしたが、多くの家族連れでにぎわっていました。東京タワーにかかるくらい雲が低いです。
駅から会場まで

途中、あ展のものと思われる展示されていますが、よく調べずに訪れてしまったので何のことなのかはよくわかっていませんが「→」に「まがる」ことはわかります。
45階までのエレベーター

高いところに上り気分も上がります。耳が痛くなるようなことはありませんでしたが、上昇スピードがすごいのであろう感覚はあります。
会場は大きく3つ

会場は大きく3つに分かれています。入り口から一つ目の会場を覗くと人がまばらに見えます。
イントロダクション〜動詞の庭〜

入るとイントロダクションとして道具を扱う日常のシーンから人間の姿を引き算することで見えてくる行為を普段と違う視点で見つめます。
今回で3回目の「デザインあ展neo」について
デザインあ展について、主催者からのメッセージがありました。今回のテーマやパワーアップしている点が、まとめられています。
デザインあ展neoについて
主催者
「デザイン展 neo」は、NHK Eテレで放送中の番組「デザインあneo」のコンセプトを、体験の場に展開する展覧会です。
これまで2013年に21_21 DESIGN SIGHTで、2018年から2021年には日本科学未来館、富山県美術館など全国6つの美術館で「デザインあ展」として開催。
今回3回目となる「デザイン展neo」では、こどもたちにデザインについてさまざまな思考・発見を楽しんでもらうコンセプトはそのままに、新たなテーマの新作を展示します。
「モノ」をテーマとしてきたこれまでの「あ展」に対し、今回のテーマは「あるく」「たべる」「すわる」「もつ」など、わたしたちが行う行為(動詞)。
じぶんのからだも使って体感する作品群で、日常をつむぐさまざまな行為を、デザインの視点からとらえなおしていきます。
また360度のスクリーンに囲まれて映像と音楽をあびる作品など、「デザインあneo」ならではの作品群もパワーアップしています。
どうして動詞
「動詞て動詞」なんて読めてしまった私ですが、メッセージが説明されていたのでそのまま引用します。
どうして動詞
デザインあ展neo 総合ディレクター 佐藤 卓(さとう たく)
デザイン展neoは、NHK Eテレの番組「デザインneo」を展覧会にしたものです。テレビは主に目と耳をつかって楽しむものですが、展覧会はからだ全体で楽しむことができる空間です。
今回の展覧会では、テーマを「動詞」にしてみました。あるく、みる、もつ、すわるなど、日常生活は朝起きて夜寝るまで、動詞の連続で成り立っています。一日の生活を全て動詞にしたら、いったいいくつの動詞が連なるでしょう。そしてそこには必ず何らかのデザインが関係しています。あたりまえの日常は、さまざまなデザインで成り立っているのです。そしてデザインは、いろいろなことと人との間をつないでいることが、動詞からもわかります。椅子のデザインは、”人と座る”ことの間をつないでいます。コップのデザインは、”人と飲む”ことの間にあります。本のデザインは”人と文章を読む”ことの間にあるものでしょう。世間ではカッコいい見た目のデザインだけがデザインだと思われがちですが、気がつかないことの中にいっぱいデザインが隠れていて、必ず何かとあなたをつないでくれているのです。展覧会を楽しんでいただき、帰り道にちょっと「デザインて何だろう?」「電車の吊革って、何と自分をつないでくれているのだろう?」って考えてみてください。
そしてそれを楽しく習慣にすると、きっとデザインマインドを育むことにつながり、あらゆる仕事や生活の役に立つはずです。
2つ目の会場

2つ目の会場入り口付近から覗くと予想以上の方々がいます。並んで体験をしていきますが、全てを体験するのは難しそうです。
印象的だった体験展示


高そうなツボを壊すことができる立体パズルです。
なおす達成感も味わえます。大きさが3種あって、大きいほど難易度が高いです。
こちらは、一番小さいサイズ。小2の娘と幼稚園年少さんで完成させました。
るてす toss

多くの人がいる中、天井にゴミ箱があります。

作品のタイトルは「るてす」。逆から読むと「すてる」。重力に逆らってごみを捨てる体験です。天井にゴミ箱があり、サーキュレーターで下から上に風を送り、ごみをふわりと投げ込みます。サーキュレーターが止まるとごみが落ちてきます。

お土産として、キーホルダーまで購入してしまいました。
えらそうなイス
座ると自然に“偉そう”なポーズになる不思議な椅子。
形が人の動作を変えるという体験が、まさに「行為とデザインの関係」を体現しています。
体感する展示の難しさと楽しさ

ホームページでは「体験される作品数によりますが、およそ60~120分程度」と記載されていましたが、すべての展示を体験するのは難しく、特に休日はかなりの混雑。
それでも「デザインを感じる」「考える」時間はとても有意義でした。
子どもだけでなく、大人にも“気づき”が多い展覧会です。
最後はDJ KOOの「DO IT!」

DJ KOOさんの音楽に合わせて「DO IT!」は楽しく本当によかったです。自分の動作と映像が合うことで、自分がその行為をしている感覚になりました。会場のみんなとの一体感も生まれた気がしました。まるで自分の動作が作品になったような不思議な感覚に包まれました。
それでは最後に(あ展を訪れた方は思い出せたらと思います)。
「みんなおつかれぇー!」「最後はこれで、締めくくろう!」「はい!大きく手を振る、大きく手を振る〜wave it🖐️」「みんな、ありがとぉsee you👋」(こえ:DJ KOO)
まとめ|デザインは「気づき」から始まる

今回の「デザインあ展neo」で印象的だったのは、「デザインとは形ではなく関係である」という考え方。
椅子やコップなど、身の回りの“当たり前”の中に、人と行為をつなぐ小さなデザインが隠れていることに気づかされます。
次回も開催されるなら、ぜひ全展示を体験したい。
そして帰り道には、いつも使っている道具を見て「これって、何と自分をつないでいるんだろう?」と考えながら歩きたくなりました。DO IT!